控訴のご報告

【川崎弁護士パワハラ訴訟】判決を一部不服として控訴を提起しました

令和3年4月27日に横浜地方裁判所川崎支部にて判決の言い渡しがありました賃金等請求反訴事件につき、判決を一部不服として控訴を提起いたしましたのでご報告いたします。
以下、判決報告と同様に、パワハラ被害を受けた弁護士をAさん、経営者弁護士をB弁護士と呼びます。
判決報告は以下のリンクをご参照ください。

控訴を決断した理由

本事案の主要な争点は、Aさんの労働の対価と、パワハラの有無です。

業務の対価について

Aさんは約4年3か月、B弁護士の事務所で勤務していましたが、入所2年目の途中から、退職に至るまで、給料が支払われませんでした。B弁護士側は、「無報酬の合意」の存在を主張していました。
この点、横浜地方裁判所川崎支部判決(以下「原判決」といいます)は、Aさんの労働者性を否定しつつも、相当な業務委託料として300万円の支払いを認めたことは、既にご報告のとおりです。
原判決は、B弁護士側の主張する「無報酬の合意」を一部有効と判断しました。その上で、退職までの約1年4か月の間の報酬額として、民事訴訟法248条の趣旨に鑑み、300万円と判断しました。
本件における状況下において労働者性が否定されたこと、「無報酬の合意」を一部有効とした判断、いずれも不服がありますし、1年4か月の報酬額として認められた300万円という額にも不服があります。

パワハラについて

AさんがB弁護士から受けていたパワハラについては、Aさんが主張する事実の一部が原判決で認定され、同種事案としては比較的高額である200万円の慰謝料(弁護士費用を含み220万円の損害)が認められました。
例えば、原判決は、Aさんのミスを叱責するに際し、胸ぐら部分を少なくとも5秒以上掴み、「嘘つきやろうが」「おめえふざけんじゃねえぞ」と大声を出しながら、背後のロッカーに叩きつけ、土下座するよう非常に強い口調で命じた事実を認定しました。客観的証拠に乏しい中、Aさんの主張に沿う事実を認定していただいた裁判所の判断には敬意を表したいと思います。
しかし、Aさんの主張する事実の全てが認定されたわけではありません。
Aさんは、この日に限らず、土下座の際に、B弁護士から頭を踏みつけられたという主張をしていましたが、原判決には言及がありませんでした。また、別の日に、指示棒(金属製で伸縮自在のもの)が折れるほど叩かれる、といった暴行があった旨を主張していましたが、認定されませんでした。
その他、ここでは詳細を書きませんが、AさんがB弁護士に億を超える高額な賠償金を支払う旨の誓約書が作成された事実がパワハラと評価されなかった点は、非常に残念に思います。
今後の東京高等裁判所での審理に期待したいと思います。

判決の報道を受けて

この裁判の判決は朝日新聞と神奈川新聞に報道していただき、大きな反響がありました。
また、このホームページでの活動報告も、twitter等のソーシャルメディアで拡散され、多くの方に見ていただく結果となりました。この裁判に関心を持って頂いた皆様には感謝申し上げます。
ネットニュースのコメント欄や、twitterでの反応なども、時間の許す限り、拝見しております。
審理が継続している事件ですので、そういった皆様の声にひとつひとつお答えしていくことは控えますが、一点だけ、申し上げておきたいことがございます。
ネットでの書き込みの中に、「川崎の弁護士最低だな」といった趣旨の書き込みが散見されました。
たしかにB弁護士がかつて川崎に事務所を構えていたことは事実です。
しかし、川崎の弁護士は、横のつながりが強く、神奈川県弁護士会川崎支部は、助け合いの精神が根付いた、素晴らしい支部です。私は川崎の弁護士が大好きです。当然、川崎に所属する弁護士は、違法なハラスメントを許さないという気概を持った弁護士が大多数です。
実際、私たち代理人がこの事案に関与したのは、神奈川県弁護士会川崎支部の副支部長職に就いていた時期に、支部会員からの相談を受けたことがきっかけです。私たちは、これ以上川崎で新たなAさんを出さない、という明確な目標を持ち、今も、闘い続けていることをここにご報告申し上げます。

弁護士のためのパワハラ相談について

報道後の反響や、twitter等のソーシャルメディアを拝見していく中で、パワハラを受けている弁護士を知っている、自分もパワハラを受けているかもしれない、といった書き込みを多数拝見しました。弁護士からパワハラを受けている被害者はAさんだけではないこと、今も、パワハラに苦しんでいる弁護士が存在することを、改めて確信いたしました。
そこで、当事務所ホームページにて、新たに、弁護士のためのパワハラ相談窓口を設ける決断をいたしました。
今現在、被害に遭って苦しんでいる弁護士、そういった弁護士を知っているという方からの、アクセスをお待ちしています。
詳細は別の記事でアップしますので、そちらをご参照ください。

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